大森 善清(おおもり よしきよ・?-?)先生に学ぶ

『絵本唐紅』(えほんからくれない)

成立年 1737年以前

場所  京都

巻冊数 上中下3冊

配置が巧みで目を引く画面作り

善清は1700年前後に京都で活動した絵師。「唐紅」のタイトルのとおり、この本にはほとんど中国の画題が紹介されている。太い線と細い線、粗密のバランスがよく、線の配置で構図をつくっていく勉強になる。王昭君説話の匈奴、猟馬・曲馬図に出てくる異国風の人々など、少数民族の人々の表現が生き生きしておもしろいと個人的には思った。

〈参考文献〉浅野秀剛「大森善清絵本の後修本 ―金沢美術工芸大学所蔵の『絵本唐紅』と『風流絵本 唐くれなゐ』を中心に―」(太田昌子編『江戸の出版文化から始まったイメージ革命』金沢芸術学研究会、2007)

・金沢美術工芸大学附属図書館本(3巻3冊) 金沢美術工芸大学附属図書館 絵手本DB 58

・The British Museum本(上中下3冊) 立命館大学 ARC古典籍ポータルデータベース/The British Museum collection online    1973,0723,0.94.1 1973,0723,0.94.2 1973,0723,0.94.3


<模写について>

模写したページ https://www.britishmuseum.org/collection/object/A_1973-0723-0-94-2 12ページ目

模写の方法 JPEGダウンロード後、プリントアウトして敷き写し

使用した紙 永豊(中国紙、100枚 600円)

使用した筆 七紫三羊(上海工芸製、550円)、選毫円健(蘇州湖筆製、900円)

使用した墨 濃墨液(古梅園製、200ml 800円)


デジタルアーカイブ模写派!

かつての画家たちが、なんども筆でうつし、まなび、脈々と我が物にしてきた、絵画の教科書「絵手本」。 絵手本にならうことは、実際には会うことの叶わない、いにしえの名人たちとの対話であり、また、学習の時間でもありました。 いまは、検索によってそれらをWEB上で自由に見ることができる時代です。 このサイトでは、絵を描くものの目線で「学びたい」と思う絵手本のデジタルアーカイブを集めてみました。